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Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 というレンズ
12月になり、そろそろ今年一年のカメラ模様を撮った写真と共に振り返ってみようと思います。
まずは今年、最も印象に残った Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 というレンズから。5月に手にしてからおよそ半年が経ちました。
当初、50mmといういわゆる標準画角に対して苦手意識があったのですが、いつの間にか手放せないレンズになっています。
絞り値で変わる描写
Planar T* 1.4/50 は開放F値が1.4の明るいレンズながら、F2.8あたりまではふわふわとソフトフィルターを通したような写りで、F4あたりまで絞ってようやく本領の解像力を発揮するタイプのレンズです。もとよりカリッとした描写が好きな私はこのふわふわしてピントの山が掴みにくいこのレンズに手こずっていたのですが、半年経ってだんだんと絞りによる変化の虜となりつつあります。
F1.4のふわふわした描写は順光ではもやがかかったようで気になることも多いのですが、最近になって逆光から半逆光の時にはエッジが光の中に溶け込んでいくようなとても柔らかい写真が撮れることに気が付きました。
F4.0ぐらいまで絞ると急激にシャープな描写になります。だからといってキリキリと締め上げるようなシャープさではなく、すっきりとした抜けの良いキメの細かさとほどよいボケ。この辺りの加減が私は気に入っています。
それ以降は絞ることで被写界深度以外はそれほど変化がありませんが、F11ぐらいまで絞って風景を撮ったりというのもこなせてしまうあたり、懐の広いレンズだと感じます。
マニュアルフォーカスというリズム
そして、何よりこのレンズで気に入っているのはその手触り。元はフィルムカメラで使いたいがために絞り環付きのマニュアルフォーカスという条件で選んだのですが、絞り環・フォーカスリングともに動きがとにかく滑らかで、ファインダーを覗きながらピントを合わせていると自然と集中できるのですよね。ピントを合わせながら「スーッ」と息を吐いて合焦したところで息を止めてレリーズ、みたいな。
心なしか、このレンズで撮る写真はどことなく落ち着いた雰囲気のものが多くなるような気がします。
Zeissの50mmは今年MilvusシリーズでPlanarからDistagonに変わったそうですが、描写はどのように変わったのでしょう?一度手にとって試してみたいですね。
ちょっと困ったところも
ただこのレンズ、前述したとおりピントの山が掴みにくいという問題があります。ピーキングのあるα7IIやスプリットスクリーンのあるF3で使う分には困らないのですが、D750などのデジタル一眼レフで使用する場合にはやっかいです。
なので、ピントの山が掴みにくいレンズをデジタル一眼レフで使う場合はマグニファイヤーなどでファインダー倍率を上げることでずいぶんと使いやすくなります。