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中判フィルムと動画で撮る氷きらめく黒斑山
よく晴れた2月頭の日曜日。妻と友人の3人で群馬・長野の県境にある黒斑山(浅間山外輪山)へ行ってきました。晴れた日は埼玉の我が家からでもよく見えて馴染みの山ではあるものの、実は夏季も通して初めての浅間山。ちょっとしたトラブルはあったものの久しぶりの中判フィルムや動画でとても満足度の高い登山になりました。
麓に横たわる不穏な雲
友人と我が家で合流後、関越道から上信越道へ特に渋滞もなく快調に車を走らせていると、ちょうど昇ってきた陽に日光から浅間までぐるりと朱に染まるモルゲンロートでお出迎え。絶好のスタートと浮かれかけたところで、浅間山の中腹には不穏な雲が横たわっているのに気がつきました。
上空に寒気が入っているのか上が平たい雲が広く横に伸びていて、このまま雲の高度が上がってまっしろな森を歩くハメになるのか、それとも大雲海に浮かぶ銀嶺を見られるのかと、不安を抱きながら登山口へ到着。結局その不安は杞憂で、登山口のある高峰高原ビジターセンター駐車場は雲の上で、むしろ雲海に浮かぶ峰々を望む絶好の登山日和となったのでした。
不安も晴れたのでさっそくアイゼンを履き登山開始。振り返れば木立の向こうに雲海と八ヶ岳。
雲が上がってくるのか消えてしまうのか気になってところどころで振り返りつつ動画とフィルムで風景を切り取ります。まだ先は長いぞとぼやく同行者の気持ちは良く分かるものの、序盤で撮っておかないと後で困るという経験を何度も繰り返しているので……
とはいえ、あまりのんびりしていると雲が上がってきてしまうかもしれないし、気温が上がって足下がぐしゃぐしゃになってしまうかもしれないので前に進んでいきましょう。
ところで動画を撮影するようになって山に持ち出すカメラがすっかりEOS R5とEFのニッパチ(F2.8通し)になったんですが、24-70mmと70-200mm、100mmマクロと色が揃ってくれるし、メリハリがあって気持ちがいいし、少しだけクセがあるのも個人的には嬉しいポイントです。以前使っていたRF 24-105mm F4はキレイに写るもののやや無味乾燥なところがあったので、少々重くても今はEFの方が気に入っています。
話を戻して……
徐々に高度が上がってきて振り返ってみると、先ほどは高峯山に遮られていて見えなかった北アルプスの稜線が雲海の上に浮かんでいました。雲は上がってくる様子もないですし、期待を高めつつ歩を進めて……
ハイライトのひとつめ、東御の頭に到着です。ガトーショコラなんて呼ばれてよく写真で見る浅間山がドーンと正面に現れました(上の写真は少しズレた場所から撮影したもの)。見事な円錐形の浅間山とガクッと切れ落ちた外輪山に圧倒されます。
気がつけば雲海はすっかりはれ。荒々しい外輪山の向こうには富士山や中央アルプスに御嶽山が白く輝いていました。あぁ、きもちいい……
凍り付くブロニカS2
さて、今回は冒頭でも書いたようにミラーレスのEOS R5だけでなく中判フィルムカメラであるゼンザ・ブロニカS2も持ってきました。ずっしり重い一眼レフですし、昨今のフィルム高騰もあって山に持っていくハードルはかなり高くなっているカメラなんですが、いつまでも冷凍庫にストックのフィルムを残しておいても仕方ないので意を決して持ってきました。
今回ブロニカに装填したフィルムはフジフイルムのPROVIA 100F。すっきりした画質で白と青の冬山の世界にはバチッとハマりそうなフィルムです。東御の頭より上では冷気で上手く動作してくれなくなってしまったものの、それまでの標高ではキッチリ動いて「これだから中判はいいな」という写真を残してくれました。
以下、その中から3コマほどデジタイズしたものです。
※ SilverFast Ai Studio8 + Canoscan 9000F MarkIIでスキャニング。
Mt.Kurofu – View of the “the volcano” from the outer rim.
最後に今回の山行で撮影した動画を紹介します。
外輪山から望む浅間山と題して、この日の行程を動画にまとめました。YouTubeに公開した山動画の本数も7本目ともなれば、撮影もだいぶ熟れてきた感覚があります。最初は2分の尺を作るにも苦労していたのに5分を超える動画でもそれほど困ることがなくなりました。