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新緑の大菩薩嶺へ
軽やかに新緑の稜線を楽しめるのが大菩薩嶺
昨年の秋に登ってその気持ち良さにすっかりやられてしまい「新緑のシーズンも!」と考えていた大菩薩嶺へ行ってきた。上日川峠を起点にした周回コースは標準的なコースタイム(CT)で4時間弱、登山口と山頂の標高差も約600mと、軽やかな気持ちで楽しめるのが最高の山だ。
今回は秋に歩いた時とは逆回りに大菩薩峠を経由して雷岩・山頂へ向かい、唐松尾根を下る反時計回りの周回ルート。この回り方だと下山時の唐松尾根で富士山と南アルプスを正面に望みながら歩くことができる。時計回りのルートならば雷岩から大菩薩峠の間の稜線で、富士山・南アルプスを眺めながらの歩きになるので、いずれにしろ大展望を軽やかに楽しめる。
道中、展望と休憩に適した場所が数多くあるおかげで、GWという混雑期でも窮屈な思いをすることがないのも魅力だ。
森で迎える夜明け
午前3時頃に自宅を出発し登山口のある上日川峠に到着したのが午前5時過ぎ。すでに第一・第二駐車場は満車の様相だったので、空きを確認するまでもなく第三駐車場へ。車を駐めて準備をしていると、先ほど第二駐車場へ向かった車が続々と入ってきたので、早々に切りかえて正解だった。
登山アプリとFirbit Versa 4のログ記録を開始して登山口へ向かうと、秋に着たときは0だったテント場も色とりどりのテントが立ち、あちこちから朝餉の香りが漂ってくる。お手軽なルートではあるけれど、テントを張ってゆったりと楽しむのも良さそうだなんて考えながら森に入っていく。
山で迎える朝と言えば聳える峰々が紅く燃えるモルゲンロートを期待してしまうけれど、ここではしばらく森の中。モミやコメツガなどの針葉樹の隙間からのぞく空のグラデーションを楽しむことにしよう……
なんて言ってるそばからアルプスがチラリとでも見えればカメラを向けてしまう。ひんやりとした空気、木々の匂い、淡い空のグラデーション、知覚したその場で形にする。「これこそ写真の醍醐味だ」なんてことを考えながら一歩ずつ足を運ぶうちに分岐点の福ちゃん荘に到着した。
山が生き返る
福ちゃん荘の分岐から大菩薩峠への道へ入ると、徐々に陽が高くなり森が輝き始める。神秘的だった払暁の色から生き生きとした爽やかな色の世界に変わるこの時間が山を歩く中で一番好きだ。夜明けや夕暮れほどドラマチックではないけれど、世界が生き返る瞬間を目にしているような気になるのだ。
大菩薩峠ー雷岩
大菩薩峠の介山荘(山小屋)を過ぎるといよいよ大菩薩嶺の本領、大展望の尾根歩きが始まる。ちょっとしたアップダウンを繰り返しながらも南西側に開けた尾根からは、日本の標高トップ3(富士山・北岳・間ノ岳)が並ぶ絶景が終始堪能できる。
甲府盆地を覆う雲海の先に聳える南アルプス。こんな展望を尾根の(ほとんど)どこからでも見ることができるわけで、そうなればやることはひとつ。これだ。
フライパンから立ち上る香り、サウンド、日に照らされ輝く皮目。口の中に溢れる肉汁。舌から脳髄を駆け抜ける幸福感。ヒリつく上顎は下山後までその余韻を伝えるメッセンジャー。
思わずバカになってしまったけれど、大菩薩嶺に来たらこれをやらずに帰れない。展望の良さは約束されているのだ。ならばそこで何を食うかがこの山の体験を左右するファクターだろう。(なお、隣でスープスパを作っている女性に敗北を感じたのは無かったことにする)
食欲を満たしたら、あとはひたすらに爽やかな尾根歩き。飽きるほどに富士山を眺めつつ上日川峠へ下山しコーラを飲めば最高の一日の完成だ。
動画もどうぞ
今回も登山の様子を動画にまとめています。お気に召しましたらチャンネル登録いただければ幸いです。