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フィルムスキャンのためにCanoscan 9000F Mark IIを購入してみた
そのうち、そのうち・・・
なんて思っていたスキャナを昨日出かけた際、ついでだからと購入してしまいました。
もともとフィルムカメラを手にする前から、古いネガを取り込んでおきたくて検討はしていたのですが、勢い余ってカメラの方が先に手の中に収まることになっていたのです。
最初はNikonのCoolscanというフィルムスキャナの現行モデルがあればなんて考えていたのですが、調べてみるとずいぶん前に製造終了していたんですね・・・
ドライバもEl Capitanには対応する見込みもありませんし、中古のCoolscanを探すことは早々に選択肢から外し、フラットベッドタイプの現行機種の中から選ぶことにしました。
(透過原稿対応のフラットベッドも入手するには最後のチャンスかな?なんて気もしていますが)
実際に購入したのはCANONのCanoscan 9000F Mark IIというモデルです。フィルムスキャン時には9600dpiという一瞬目を疑ってしまう解像度でスキャニングできるところがセールスポイント。(ただし9600dpi時は16bit記録はできません。)
購入にあたって比較したのはEPSONの2機種でした。
ハイエンド機のGT-X980は原稿のタイプによって反射原稿用と透過原稿用の2種類のレンズを切り替えてピント精度を高めるデュアルレンズを搭載していたりと、Canoscan 9000F Mark IIにスキャン解像度で一歩譲るもののこだわった機能が魅力です。ただしCanoscan 9000F Mark IIの2倍以上という価格が悩みどころ。
一方、GT-X830は価格的にはCanoscan 9000F Mark IIと近いものの、こちらであれば価格・解像度でリードしているCanoscan 9000F Mark IIかなといった印象です。
GT-X980が優れているのが分かっていながら、最終的にCanoscan 9000F Mark IIを選んだのは、所詮家庭用フラットベッドなので突き詰めたところで天井は見えていますし、それならば必要十分な解像力があって価格も安いCanoscan 9000F Mark IIで良いという理由からです。
実際にスキャンしてみる
購入前からネット上でチラホラとCanoscan 9000F Mark IIのフィルムスキャン時のピント精度が甘いというようなことを見かけていましたが、実際に4800dpiでスキャンしてみたところ確かにボヤッとしています。
2400dpiよりやや低いぐらいのトイラボのスキャンデータと見比べると一目瞭然。原因を突き止めなければ9600dpiの解像度も宝の持ち腐れとなってしまいます。
Lightroomの比較画面のキャプチャです。
左がトイラボのデータ、右が4800dpiでのスキャンデータ。スキャナでのシャープネス処理はしていません。
原因はフィルムホルダ
スキャンの設定なのか、それともハードウェアの限界なのか、と考えながらふたを開けたスキャナに目を向けたところ、フィルムホルダの真ん中辺りが浮き上がっているのに気が付きました。ふたを閉めてもこの部分は浮いたまま隙間ができています。
ということは、この浮き上がりをなんとか抑えれば改善はしそうだと目星を付けて、先日購入しすぎて余っていたモルトプレーンをフィルムホルダに貼り付けてみることにしました。
長辺の両サイドにライン上にこんな感じでモルトプレーンを貼り付けます。
フィルムホルダをふたでしっかり押さえつけられれば何でもいいのですが、硬いものだとふたを押し上げてしまったりするので弾力のあるものが良いと思います。
さっそく効果のほどを確かめるために2400dpiでスキャンしてみました。(4800dpiだとかなり時間がかかるので)
モルトでホルダを押さえた効果は覿面で、先ほどの4800dpiの時よりスキャン解像度は下がっているのに解像は上がっています。(左はトイラボにてスキャンのデータ)
4800dpiと2400dpiでの比較。
はてなフォトライフの仕様上、自動でリサイズされてしまうので分かりづらいのですが、ひさしの裏側にある装飾などは2400dpiの方がディテールがしっかり出ています。
シャープネス処理まですればかなり満足
もう少しシャキッとすると気持ちいいんだけどなと、2400dpiのTIFFデータにPhotoshopでスマートシャープをかけてLightroomに戻してみました。
ここまでくるとトイラボのデータに肉迫してきました。よく見るとまだ及ばない部分はあるのですが、階調に関してはCanoscan 9000F Mark IIにかなり分があります。(トイラボのデータはJPGです)
細かく言えばゴミやキズの処理の違いはあるのですが、この時代にせっかく面倒なフィルムで撮っているのですから、この辺りの面倒さも含めて楽しみたいなと思います。
追記
フィルムスキャンから、取り込んだ画像の処理までの工程をまとめました。フィルムホルダーの押さえつけ方法も改善しましたので、あわせてどうぞ。
最終的に複写という方法へ辿り着きました。