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幻のマクロレンズ Elicarに出会った
以前、マクロレンズについてのフォーラム巡りをしていた時に、ちらっとElicarというブランドのマクロレンズが素晴らしいという記述を目にしたことがありました。以来Elicarのマクロレンズに触れられる機会が無いかと探し続けていたのですが、意外にも会社近くのカメラ店で出会うことができました。(実際は兄弟レンズです)
Elicar V-HQ Macro 90mm F2.5
Elicar V-HQ Macro 90mm F2.5というのはタパック・インターナショナルという日本の会社が設計し海外で販売していたようです。対応マウントもCanon FD、Nikon Fを始めとしてOMやM42などかなり幅広く対応していたようです。製造については数社あったらしく中でもコミネ製のものが評判がいいっぽい。コミネについてはすでに無くなってしまった会社らしく詳細はわかりません。
Flickrにもグループがありました。無視が苦手な方は開かない方がいいですが、その写りにはゾクッとします。
ちなみにこのレンズにはいくつもバッジ違いの兄弟がいるようで、VivitarやPanagorにRokunarやSoligorなどのブランドで販売されていたそうです。エクステンションチューブなどを使用せずに等倍撮影までこなせるというのが売りだったようです。次のリンクはペンタックスユーザーのフォーラムで、様々なバリエーションがあることがわかります。
Panagor 90mm f2.8 Macro PMC Lens Reviews – Miscellaneous Lenses – Pentax Lens Review Database
また、このフォーラム内のページからElicar Super Macro V-HQ 1.25:1 / 90mm F2.5のページへのリンクがあり、それを辿ってみると小さなサムネイルですが白いモデルと黒いモデルが確認できます。この白いモデルが通称「白エリカ」と呼ばれるもののようで、最小絞りはF32となっているので回転角は380°のバージョンだと思われます。つまり、白エリカ見たら迷わず買っとけということですね。(後述しますが回転角と最小絞り値にも2つのバリエーションがあるようです)
PentaxForumsより「白エリカ」
さて、私が出会ったのはそれらのバリエーションの中のひとつで、Panagor 90mm F2.8 Macro PMCというレンズ。
開放F値がちょっと違うのですが、後に別の兄弟であるVivitar 90mm F2.8 MacroがF2.5にモデルチェンジしたという記述もありますので、いくつかのバリエーションのうちの一つでしょう。見た目はVivitarもPanagorもElicarとそっくりです。
実写してみた
お店の方にお願いして実写してみました。M42マウントだったのでM42toEのアダプターをお借りして私のα7IIへ装着です。90mm F2.8という割に大きく太くズシリと重い。
Panagor 90mm F2.8 Macro PMC / F2.8
Panagor 90mm F2.8 Macro PMC / F5.6
Panagor 90mm F2.8 Macro PMC / F8
先ほどのVivitarのリンクによればZUIKO 90mm F2 macroには及ばないと記述はあるものの、ファインダーを覗いた感想としては開放からPlanar 1.4/50をF4以上に絞った時のシャープネス・コントラストを超えていてF5.6あたりでピークがくる感じ。接眼した時点で分かるその切れ味は素晴らしいという言葉を贈るほかありません。
続いてお店の中から表の通りを。ピントは写ルンです。
Panagor 90mm F2.8 Macro PMC / F2.8
Panagor 90mm F2.8 Macro PMC / F5.6
古いレンズですがフリンジはあまり目立ちませんし、マクロレンズだけあって歪み無く隅々までクリアに写りますね。しかしちょっとした問題がありまして・・・
完全にマクロ仕様
さて、描写が素晴らしいのは分かったしお値段も3万円を切ってる。そして次にいつ会えるかわからないので思わず買ってしまいそうになったのですが、このレンズ、困ったことに完全マクロ仕様なのです。
それで何が困るの?といいますと、フォーカスリングの回転角がなんと970°もあり、回転はスムーズなもののとても重くてとてもじゃないですがスナップ用途には使えません。完全にマクロ用途でしか使わないという場合であればこの使用もメリットなのですけどね…
(ちなみに回転角が大きめと言われるPlanar T* 1.4/50でも120°、中望遠で回転角が大きくなることを差し引いても970°というのはかなり回転角が大きいと思います)
回転角が380°、最小絞りがF32のバージョンもあるそうなので、そちらだったら即決だったかなぁ。 (こちらが先述の「白エリカ」のようです)
55mm F2.8もすごい
実は、同じカメラ店にVivitarの55mm F2.8 macroもあって気になったので、帰宅してからFlickrでチェックしてみたところ、こちらの方がより好みかもという写りでした。
おまけ
この記事に出てくるElicar 90mmとそのバリエーションを製造していたコミネについては詳細は不明となってしまいましたが、設計をしていたタパック・インターナショナルは今でも存在していてELICAR V-HQ 300~600mm [IF&ED] f/4.1~5.7 MACRO 1:4というレンズを販売しています。
コメント
コメント一覧 (2件)
サードパーティ製のオールドレンズも深い沼になりそうですね。
自分もTAMRONの90㎜F2.8のOMマウント用をヤフオクで手に入れましたけどこれは安くていい買い物でした。
実は同じ店でTAMRONの90mm F2.5 Macroも試したりしたんです。タムキューは当時のモデルですでに完成の域ですね。ちょっとぐらっときました。