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ふたたびの戦場ヶ原
あけましておめでとうございます、と言うには少々遅い2023年初エントリー。我が家の正月行事として定着してきた感のある「年が明けたら寒いところ行こう」みたいなイベントとして、4年ぶりの戦場ヶ原スノーハイクに行ってきました。
前回2019年は明智平でドラマチックな夜明けを眺めたものの、その後はずっと吹雪の中。楽しかったとはいえ、消化不良だったのも否めませんでした。4年ぶりの戦場ヶ原、はたして太陽は微笑んでくれるのでしょうか……
淡い期待を胸に赤沼へ
前回同様、いろは坂を登りながらデジャヴを感じる夜明けながめながら三本松園地駐車場へ向かいます。薄雲はあるもののモルゲンロートで紅く焼ける男体山や外山に期待が高まります。今度こそ雪原の向こう、青空をバックにずーんと聳える男体山を見たいぞ!
準備を済ませてスタート地点の赤沼へ向けて出発。赤沼へ向けて歩く国道120号線から見える男体山の大きさに驚く。遠く離れた埼玉からでも一目で男体山と分かるその姿が、目の前の雪原からいきなりズドンと起ち上っている。力強いとかそういうレベルじゃなくて、圧倒的に視界を覆ってくる威容というかそんな存在感で神域とされるのも納得だ。
前回はこれほど近くにあったにも関わらず、ほとんど雪のベールの向こう側でその存在を感じることすらままならなかったので、ひとまずは「良かったな」と思える一幕だった。
そんなことを考えながら歩いているとほどなく赤沼の公衆トイレ前の東屋に到着。スノーシューを履いていざ出発。小田代ヶ原のトイレ辺りまで晴れてくれると嬉しいんだけどしばらくは雪に覆われた森の中。
耳で楽しむ雪の森
小田代ヶ原のトイレ(展望所?)を目指して静かな森を歩きます。湿原を横切る湯川を渡る橋の上からカメラを構えてワンショット。「そういえば、前にも同じ場所で同じように撮ったな……」なんて思いながらも、今回は目よりも耳に集中して歩く。
というのもこの1年、野鳥を見たり撮ったりするのが楽しくなり、それこそ森の中にその姿を探すこと自体が楽しみになった。写真には収められなかったけど、アカゲラが気を叩く姿を見られたり冬の森で楽しみたかったことができたのでそれなりに満足して小田代ヶ原へ。
怪しい空模様
樹林帯を抜けて視界が開けたと思ったら今度は空模様が怪しくなってきました。それなりに太陽の存在は感じられる明るさはありつつも地吹雪で視界が遮られることも増えてきました。なんだろう、ものすごく見たことのある景色になってきた……
昼食を摂っている間に小田代ヶ原の有名な白樺もご覧の様子。吹雪の中に立つ木々の姿も好きだけど、それは前回も見たんだなんて呟きながら帰路に入る。
帰路ではレンズを標準ズームから望遠ズーム(EF 70-200mm F2.8L IS II USM)に変えて、雪の陰影だったり野鳥だったり興味の対象を絞って歩いてみた。残念ながら野鳥に関しては湯川沿いにいたツグミ1羽のみしか撮れず、子どもの頃に釣りに行ってボウズで帰った気持ちを思いだした。生き物を相手にするならそんなもんだよね。
温泉で暖まるはずが……?
ぐるりと周回してスタート地点の赤沼へ戻るとギリギリ男体山が姿を見せてくれた。見えないよりは前進したし、再訪する理由もできたってことで三本松茶屋に戻る。
終始氷点下ですっかり芯から冷えた身体に山菜そばが沁みる。温かい食事に感謝しながらさらに暖まるために奥日光のゆの香という温泉へ向かったのだけど……
この温泉が廊下、脱衣所、浴室の順に寒くなるというなかなか衝撃的な作りで刺激的な入浴体験。それもそのはず、内湯と外湯の間には間口があるだけで扉がない……つまり、屋根があるだけで実質は吹雪の外と変わらない(笑)
おまけにシャワーは使うのを諦めるほどの水圧の弱さで頭を流そうと持ち上げるとポタポタ(かろうじて)お湯が垂れてくる代物で、他の入浴客と苦笑を交わす。
とはいえ、一度湯船で暖まってしまえば内湯にいるかぎりは十分に心地良い温泉。外湯では顔に地吹雪のビシビシと叩きつけてくる刺激を受けながら身体はほかほかという、冬の日光らしさを存分に味わえる。(ハードな施設ですが、それなりに楽しんでます)