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天の川を浮かび上がらせるRAW現像
先日、念願だった天の川の撮影に2年越しでようやく成功しました。
RAWで撮影してあったものの、最初のうちはなかなか思ったように天の川を浮かび上がらせることができませんでした。とはいえ、あれこれと試行錯誤しているうちに星空のRAW現像の勘所がつかめてきましたので、忘れないうちにメモとして書き残しておこうと思います。(基本的にLightroom CCでの作業です)
現像するファイルを選んだら、現像モジュールの一番下のカメラキャリブレーションからコントラストが低めのプロファイルを選びます。今回はCamera Portraitを選択しましたが使用しているカメラ用のプロファイルが用意されていなければAdobe Standardもコントラストは低めなので問題ないと思います。コントラストが低いプロファイルを選択するのは主にシャドウ側にギュッと寄っているヒストグラムを広げるのが目的です。
プロファイルを設定したら次は露出を調節します。今回は2EV上げました。ここはあまり変更しなくて済むように撮影できているのが理想ですが、2EVぐらいなら割となんとかなってしまいます。
天の川や暗い星が浮かび上がってきましたが全体的にメリハリが弱い状態です。ひとまずはシャドウ側にギュッと詰まったままではこの後の編集がピーキー過ぎて対応しにくいので真ん中に広く寄ってもらうというイメージです。逆にライト側に低く長く伸びているトーンは場合に寄ってはバッサリ切ることもあります。
実はここがなかなか気がつけなくてハマったポイントなのですが、淡い天の川をできるだけはっきりさせるために明瞭度を大胆に上げます。(データによっては「かすみの除去」で対応しても良いかと思います)
ノイズも同時に強調されてザラッとしてきますが、まだ気にしないことにします。
次は暗部を整えていきます。トーンカーブで左1/8あたりを下にベタ付きしないギリギリまでグイッと下げます。(トーンカーブパネルの左上にある◎印をクリックすると狙ったトーンをダイレクトに調整できます)
暗部が決まったら天の川のガス部分を持ち上げます。(言葉で説明するよりスクリーンショットを見た方が分かりやすいと思います)
大まかにトーンが出たら、基本補正に戻ってコントラストを調整します。ここも結構大胆に+50になりました。普段の現像では滅多に振らない値ですが、星空の撮影データはそもそもが極端なヒストグラムなので先入観は捨てて試行錯誤してみることがコツかも知れません。星景写真で前景がある場合は仮想コピーを作っておいて別々に調整した後、Photoshop上でマスクをかけて合成します。
徐々に銀河の形がはっきりしてきてワクワクしてきます。
画面下側の光害っぽい部分を抑えるためにハイライトを-70。段階フィルターで細かく調整してもいいのですが、今回はざっくりハイライトで抑えることにしました。
ハイライトを下げるとまたしても少しぼんやりしてしまうのでかすみの除去でメリハリをやや強めます。コントラスト関連のパラメータを行ったり来たりしていますが、最初は大きく、徐々に細かいコントラストを整えていくというイメージです。
大体のトーンは出来たので、ここまでの作業で一緒に強調されてしまったノイズを抑えます。拡大表示にして暗い星が消えないように気をつけながら輝度ノイズを抑えていきます。カラーノイズを上げると星の色まで消えてしまうのでよほど酷い状態でなければデフォルトのままにしておきます。
あとはブルー・パープル・マゼンタあたりの輝度・彩度を調整して天の川を強調したら完成。
狭い階調を極端なパラメータで調整していくので、特にトーンカーブの扱いが難しい作業でした。カメラプロファイルと露出・明瞭度あたりを調整したらPhotoshopに16bitで渡してしまった方が楽ですね。
トーンカーブについて(2018.08.19追記)
シャドウ側の狭いトーンカーブのコントロールをLightroomで編集するのが難しいと上で書いていますが、別ブログで紹介した方法でトーンカーブを編集すると多少コントロールしやすくなりました。具体的にはパラメトリックでシャドウ領域を持ち上げておいて、ポイントカーブで画面上から輝度を拾いながらコントラストを付けていくといった作業イメージです。
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追記
Photoshopへ渡して編集する場合、天の川のガス部分などはペンタブレットを使って覆い焼き・焼き込みツールを使うとよりダイナミックに仕上がると思います。(やりすぎは禁物ですが、学術資料ではないので色々試してみると面白いです)
覆い焼き・焼き込みツールについては以下の記事をご参照ください。(風景写真での例ですが、効果のほどは分かりやすいと思います)
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