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【レタッチノート】Vol.1 透明感のある風景1 草津白根山 弓池の鴨
自分への覚えも兼ねて、シリーズとしてRAW現像・レタッチについて書いてみます。RAW現像・レタッチのプロセスを公開することで誰かの参考になることがあるかも知れない、またその逆に私自身がコメントや記事へのレスポンスから得るものがあるかも知れないという思いもあります。
今回はそんなことをTwitterで呟いてリプライを頂いた1枚から。草津白根山にある弓池で見た鴨の写真です。
RAW現像のビフォー・アフター 方向性を定める
左:Before 右:After
シチュエーションは日が昇った直後、早朝の弓池で順光の条件。朝焼けの時間は過ぎて空は爽やかに明るさを増していく一方、無風で鏡張りになった水面はうっすら紫がかったブルー。空気はやや湿り気があるもののとても透明感のある光景でした。
今回の写真は露出の詰めが甘いものの、撮影時に完成像がはっきりとイメージできていたのでRAW現像の方向性としてはかなりシンプルです。
書き出してみるとこんな感じ。概ね3点の補正です。
ツールの選択
渓流や山など細かなディテールがある場合は、最終的にPhotoshopへ渡してNik Collectionなどを併用しつつレタッチしていくのがトーンカーブなども使いやすいのでベターかと思います。だた今回はシンプルな方法でイメージしていた形へ持って行けそうなのでLightroomのみで作業します。
プロセス
カメラキャリブレーションと基本補正
まずは全体の色合いを決めるためにカメラキャリブレーションからCameraClearを選択しました。ここは使用するカメラによって選択できる項目の数が変わります。その後、基本補正で大まかに露出と明暗別色補正で全体の色合いを決定します。明暗別色補正はふだんは最後に調整しますが今回は最初からイメージが固まっていたのでこの段階で調整しています。
基本補正のパラメータ
露光量 | +0.8 |
---|---|
コントラスト | +10 |
ハイライト | -30 |
シャドウ | +20 |
白レベル | +40 |
黒レベル | -20 |
明瞭度 | +10 |
自然な彩度 | +20 |
彩度 | 0 |
明暗別色補正
ハイライト | |
---|---|
色相 | 259 |
彩度 | 20 |
バランス | 0 |
シャドウ | |
色相 | 33 |
彩度 | 12 |
段階フィルターで部分補正
基本補正の段階で気になった画面上部と右側の明るさのムラを段階フィルターで補正します。右上のエリアが重複しますが結果的に気にならないのならそのままでOKです。
露光量 | +0.2 |
---|---|
コントラスト | -20 |
水面から上が重たい印象だったので露光量をやや上げてコントラストを下げて緑が沈むのを抑えています。
露光量 | +0.4 |
---|---|
シャドウ | +3 |
右側は露光ムラっぽい落ち込みが気になったので、ここはさらに露光量をプラスしています。上下方向ではなく右側のみなので露光ムラではなさそうですが何だったのでしょう?原因が掴めず今でも気になっています。
完成
というわけで、これにて完成。
それにしてもRAW現像・レタッチ作業は人に見せるという前提で作業していないので、後から振り返ってプロセスを書き出すのはなかなか骨が折れます(笑)しかし、改めて文字に書き起こすことで何をどういう目的で作業したのかが明確になるのでシリーズとして書き続けることは意味がありそうです。