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海沢渓谷撮影ノート
11月の初頭の週末、妻と子どもが二人で出かけるということで年に数度あるかないかの完全にソロの日がありました。山行中に写真を撮ることに対して理解のある家族という幸運に恵まれているのですけど、やはり私も気を遣う部分もあるわけで…
せっかくのソロ日、のんびりと森の中で写真を撮るのもいいなと山好き・写真好きな友人達が口々に「いいぞ」という海沢渓谷へ行くことにしました。行ってきたところ「海沢はいいぞ」となったので海沢のいいところをやっていきましょう。
今回は探勝路やその先にある大岳山までは登らず、前述の通りのんびり沢を楽しみながら写真を撮ることが目的なので海沢三滝の大滝まで。朝から昼ぐらいまでのんびりしたら温泉入って飯食ってビール飲みながら写真を現像したろというプランです。正直とても楽しかったし、改めて自分がどんな写真が好きなのかということを見直すきっかけにもなりました。
ネイチャーフォトの訓練場
海沢園地を出発していきなり「なるほど」と唸らされました。うわさ通りに美しい渓流で歩くだけで楽しいのですが、これを写真に落とし込むのはたしかによく考える必要がありそうです。
透き通った水、起伏のある岩の間を流れる沢、もう少しで最盛期を迎えそうな紅葉、しかし北向きの谷ゆえにあまり光が差し込まないという地形。沢づたいに歩けば、それこそそこら中にフォトジェニックなディテールがあり、少し角度を変えて観察してみるとがらりと見え方が変わる景色の連続です。
その被写体の何に感動したのか、なぜ目を惹いたのか、それが伝わる構図はどんなものなのか。一人でゆっくりと歩くことで見えてくるものがいくつもありました。
三つの滝と撮影時に気にしたポイント
そろそろこの日の主要な被写体、三つ釜の滝、ねじれの滝、大滝の話に進みましょう。滝の写真を撮ろう!と考えたとき真っ先に思い浮かぶのは全体像を収める構図じゃないかと思うのですが、ご覧の通り、この沢にある滝はどれも一筋縄ではいきません。ありていに言えば全体を収めるととても凡庸。しかし、三つの滝はそれぞれとても個性的な特徴を持っていて、私が表現するならこうかなということをまとめてみようと思います。
三つ釜の滝
そこそこの落差を3回に分けて水が落ちる三つ釜の滝。この滝、下から眺めていると右に階段があったり撮影可能なポジションの兼ね合いからあまり面白い画になりません。しかし上から眺めてみると素敵なディテールに溢れているじゃないですか。
垂直に近い角度まで隆起した地層(岩盤)が描く縞模様、それを釜の縁として溢れて落ちる滝、深い青を湛えた釜と奥に覗く紅葉。滝を上から撮るのはポジション取りの難しさ(危険度)が高いので注意が必要ですが、なるほどこちらでしたか。
ねじれの滝
なんですかこれ、超難問じゃないですかと思っていたところ文字通り光明が差しました。季節によって前後するとは思いますが、午前9時前後にちょうどねじれの滝に陽が差し込むタイミングがありました。そして、この光がねじれの滝の深く抉られた形状と美しいコントラストを見せてくれる一つの特徴だったわけです。
夏至近くの高い光が釜の水に反射する姿もさぞ美しいだろうなと想像しながら再訪してみたいと思います。
大滝
最後は大滝。先ほどの全体像の写真は超広角で少し離れた位置から撮影しているので小さく見えますが、実際目の前に立つとその名の通り大きな滝です。
この滝、滝のほぼ真下まで入れるのが特徴なので、滝直下のポジションや正面などから撮影してみたのですが、自分なりの納得ができない。滝の水を浴びながらこの滝ってなんでこんな形なんだろう?と考えて辿り着いたのが上の構図。
実際はもっと複雑な成り立ちがあるのでしょうけど、この空間自体(少なくとも手前の岩盤)が滝によって削られ続けてできた場所なのではと腑に落ちたところでシャッターを切ったものです。
ここはこの構図を狙うなら紅葉期なら正午〜14時ごろが美味しい時間でしょうか。
実は滝以外が最高だった
滝という大きなオブジェクトについつい目を惹かれてしまいがちですが、海沢渓谷の素晴らしさはそれ以外にありました。ほぼ真北に向かって流れる沢筋に光が差す時間は一日の中でもわずか。タイミングが合えばそこかしこにハッとする景色があふれますが、それらを写真に落とし込むには日照や地形の関係を考える必要があることを強く感じさせてくれます。
そして、ネイチャーマクロの楽しさも。
と、いう感じでネイチャーフォトについての様々な気付きや発見に楽しさを再確認させてくれるまさに訓練場といった場所でした。
今回、狭い場所やマクロ撮影する際にこのミニ三脚が活躍してくれました。詳しいレビューは別サイトでしているので、よろしければそちらも合わせてお読みください。
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