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春の防湿庫整理まつり
少し前にソニーのα7IIで使っていたレンズが結局すべてFマウントレンズになってしまったことからボディをD800Eへと変更しました。
その後、勢い余って全てのシステムをニコンFマウントへそっくり変更してしまったので、その結論へ至った経緯を説明してみたいと思います。要はちゃんと考えているんだよという言い訳です。
2017年度の私の機材構成
まずは前提からおさらいしておきます。
メインで使っていたのはマイクロフォーサーズのOM-D E-M1 MarkII、サブにソニーのα7IIという構成でした。で、サブ用のレンズが全てニコンのFマウントとなったことでα7IIである必要性がなくなりD800Eへとボディを換えたわけです。
ところが、ニコンのZoom-Nikkor 17-35mm F2.8DをネイティブであるD800Eで使うとAFも使えるしEXIFも残るし当たり前だけど快適なわけです。その上、より高画素になったのに画質も納得のいくもので、シャープネスを上げなくてもとてもキレがいいし、コマ速は5コマ/秒から4コマ/秒へ落ちているのにボディからのフィードバックが良いおかげでタイミングも取りやすい。
これはメインのマイクロフォーサーズも整理してD800Eに一本化してもいいんじゃないか?という思いがよぎりました。防湿庫に目をやると60L容量の黒い箱にマイクロフォーサーズからPENTAX 67用のレンズやアクセサリー類まで詰め込まれてなんとも窮屈そうな有様でしたし。
システム変更のコンセプト
とはいえ、メインの構成を変更するのはそれなりに勇気のいることです。そこで一旦冷静になり今抱えている不満点や着地点をしっかり考えました。
画質
まずはここです。E-M1 MarkIIとα7IIではMFTとフルサイズでありながら、それほど画質の差は感じませんでした。しかしD800Eが出力するRAWはコマ速の低下や(ボディの)重量増、そしてライブビューの扱いにくさに目をつぶってもいいと感じさせる質。もちろん単純にセンサー性能だけでなくボディの造りにも依るところは大きいのですが、ここは問題ありません。
画角のカバー範囲
ボディの問題がクリアになったと言っても大事なのはレンズです。すでにFマウントで標準・中望遠・広角ズームは揃っているので、最低クリアしたいのは標準ズームと望遠域。
これまで望遠ズームはM.ZD 40-150mm F2.8 PRO(35mm換算80-300相当)にテレコン(1.4倍)の組み合わせでカバーしてきましたが、実は400mmより先の方が欲しいシチュエーションが多かったこと中望遠域は標準ズームや単焦点でカバーできることから、超望遠ズームに焦点を絞りました。
一方の標準域は明るさに関しては開放F4でも困るシチュエーションが少ないこと、登山時の総重量を減らしたいという点から24-105mm F4または24-120mm F4といったスペックのレンズを候補にしました。むしろ明るさがあっても望遠端が70mmまでしかないF2.8ズームは自分の用途的に性能が足りません。
標準・望遠いずれにしても画質を確保した上でカバーできる画角の範囲優先という結論です。
総重量の低減
α7IIからD800E、そしてEマウントからFマウントの変更と言えば普通は重量増と考えます。しかしα7IIは単焦点を中心としたサブ、E-M1 MarkIIがメインとしてZD 12-60mm F2.8-4.0 SWDとアダプターのMMF-3が最低限の重量として加算されているわけです。さらにそれぞれに予備バッテリーやアダプターなどのアクセサリーが加わるのでバッグの中はやたらとアイテムが増えるし、レンズ交換を減らせる代わりにとても面倒なことになっていました。
なので、ボディをFマウント機「1台」にまとめることでレンズ交換は発生してしまうものの総重量や使い勝手のストレスは軽減を目指します。
2018年度の機材選択
コンセプトが見えたところで実際の選択。最終的に下図の構成になりました。一部空白はあるものの超広角から超望遠までカバーしながら、間に趣味性の高い単焦点も差し込んで本数は少なめですが万全の体制。
17-35mmと58mm、100mmの3本は以前から所有していたレンズ、新たに追加された3本とそれを選んだ理由を説明します。あくまで私個人の選択基準ですが、誰かの参考になるかも知れません。
標準ズーム
SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM ART
つよい標準ズームと言えばいわゆる大三元と呼ばれるF2.8通しのズーム。しかし、先ほどコンセプトで書いたとおり(今の)私にとっては70mmで止まるズームは必要ありません。1段暗くても最低100mmまでは欲しいということでAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRと悩みましたが、描写の好みでこちらを選択。
先日の棒ノ嶺登山にも持っていきましたが、その描写力は高画素機の解像力もあいまってまさに期待通り。これでズームなのか?と思わせてくれるキレっぷりです。
望遠ズーム
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Comtemporary
Nikonの200-500mm F5.6とSIGMAの150-600mm F5-6.3 Comtemporaryを候補にしました。両方を試写してみて画角と描写を確認、どちらを選んでも十分満足できるとした上で、ズーム域が広くより軽量な150-600mm F5-6.3 Comtemporaryを選択しました。
まだ、軽く試し撮りをした程度でしかありませんが、期待していたとおり300mmを超えて600mmまで伸ばせる画角は新しい体験をさせてくれそうです。
マクロ
Nikon AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
マクロと呼ぶと原理主義者から怒られそうですが、等倍撮影用のレンズは60mmではなく105mmのMicro Nikkorを選びました。100mm付近の単焦点としてすでにMakro-Planarは持っていましたがハーフマクロであること、対して105mmのMicro Nikkorはテレコンも使えるという友人からの勧めからチョイス。
以前所有していたMicro Nikkor 60mm F2.8Dのようなゴリゴリした描写ではなくオールマイティーに使えそうな繊細さも持っているようです。詳しくはまた改めて記事にしてみようと思います。
その他のレンズ
この3本以外は既にα7II使用時から所有していたレンズ群。
Voightlander Nokton 58mm F1.4、Zeiss Makro-Planar T* 2/100、AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm F2.8D。そしてマウントアダプターを介してPENTAX 67の105mm F2.4と200mm F4です。
スピードライト
これまでE-M1 MarkII純正フラッシュをコマンダー(送信機)にしてFL-600R(純正スピードライト)を使っていましたが、E-M1 MarkIIボディと同時に売却してしまったので、スピードライトはGodoxで組み直しました。
構成はX1-N(コマンダー)にGN60のクリップオンTT-600を2つ。TT-600はここ最近価格が倍近くに跳ね上がったり戻ったりを繰り返していますが7000円台で買えてしまうおそろしいやつ。レビューなどを読んでいると純正に及ばないところもあるようですが価格を考えればそれは当然。ライティングに関してはあれこれ考えるより試行数を増やしたいのでこのコストパフォーマンスはありがたい。ざっくり2万円ほどで2灯環境が揃ってしまうのスバラシイ。ボディが変わってもコマンダーを変えるだけで済みますし。
まとめ
これまで2台(マウント)体制でそれなりに使い分けはできていながらも、レンズもボディもバッテリーもばらばらと煩雑になりつつあった状況から一気にすっきりしました。E-M1 MarkIIという手に馴染んだカメラを手放すのは大きな不安がありましたが、今の体力では登山時に2つのボディを持って上がるのは望ましいことではないという気がしますし、一方で諦めたくないアングルだってあるわけで、そんな時にトータル重量で軽量化するという視点に気がつけたのは大きかったと思います。
というわけで、2018年度はNikon Fマウントでやっていこうと思います。
なお、検討にあたってはこちらのレビューブックが遺憾なく本領を発揮してくれたことをご報告しておきます。